生活保護と生命保険を両立する方法をわかりやすく解説します!
【目次】
- 生活保護と生命保険を両立できるケース
- 生活保護受給者が生命保険を継続する方法
- 生活保護の受給条件
- 生活保護を受給するにあたり生命保険は必要なのか
- 生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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生活保護を受給すると生命保険は原則、解約しなければなりません。生命保険を解約しなければならない理由は、解約返戻金が発生するため貯蓄と見做されるからです。とはいえ、全ての生命保険が解約の対象になるわけではありません。
本記事では、生活保護と両立できる生命保険について解説します。 -
生活保護と生命保険を両立できるケース
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そもそも、生活保護を受給するにあたり、なぜ生命保険をかけていてはいけないのでしょうか?
答えは、解約返戻金が発生する為、貯蓄と見做される場合があり、生活保護が税金から賄われていることから、国の税金を使って個人の資産を形成している状態になってしまうからです。
言い換えると、資産に該当しない生命保険であれば、生活保護と両立してかけることができます。 -
死亡保証や高度障害保障を目的とした保険
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生命保険には貯蓄性が目的になっているものと、死亡保障や高度障害保障が目的になっているものの2種類があります。
上記でもご説明した通り、貯蓄性の高い生命保険は生活保護の制度では認められないため、死亡保障や高度障害保障を目的とした生命保険であれば、加入を認められる場合があります。いわゆる”掛け捨て型”と言われる保険です。
とはいえ、掛け捨て型の生命保険ならなんでもいいわけではありません。下記の2つの条件を満たしている生命保険に限られます。 -
毎月の保険料が低額
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保険料が”低額”というのは曖昧な表現ですが、一般的には支給される生活保護費の10〜15%程度の金額が目安になっており、その判断はケースワーカーに委ねられている為です。
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解約返戻金額が低額
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解約返戻金は貯蓄と見做されると解説しましたが、生活保護費からの貯蓄は一定額認められていることから、解約返戻金が少額である場合は、解約しなくても良いとされています。
認められる解約返戻金の目安は、30万円以下または毎月支給される生活保護費の3ヶ月分以下です。 -
生活保護受給者が生命保険を継続する方法
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上記の掛け捨て型以外でも、特例として生命保険の加入を認められるケースがあります。
- 生活保護受給者が被保険者となる
- 名義変更をする
以上の2つのケースです。 -
生活保護受給者が被保険者
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生活保護受給者が生命保険を解約しなければならない理由は、国の税金で個人の資産を形成することになるためと解説しました。しかし、生活保護受給者が被保険者であり、保険料を支払う契約者が生活保護受給者でない場合は、上記の理由には該当しないため、生命保険の継続を認められる場合があります。
とはいえ、契約者が両親や兄弟等、近しい親族の場合は、保険料を支払うのであれば、むしろそのお金を生活費として援助してあげることはできないのかと、ケースワーカーから指導が入る可能性は高いです。 -
名義変更
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生命保険は途中から名義変更をすることができます。生活保護受給者が被保険者である場合に、契約者を同一世帯ではない祖父母等に名義変更することで、生命保険の契約を継続できる場合があります。
とはいえ、こちらに関してもケースワーカーの判断に委ねられますので、必ず生命保険を継続できるというわけではありません。生活保護の受給が一時的であり、脱却の見通しが立っている場合などは認められる可能性が高まります。 -
生活保護の受給条件
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ここまでお読みいただき、生活保護の受給を本格的に検討してみようとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本項では、生活保護の受給条件を簡単に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。 -
収入が最低生活費未満
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生活保護費の基準となる最低生活費は、地域や家族構成によって金額が異なります。そのため、同じ収入額でも地域や家族構成が異なれば、生活保護を受給できる人とできない人がいるということです。
最低生活費の目安は、概ね10〜13万円になっていますので、10万円以下の収入の方は、どの地域にお住まいでも受給できる可能性が高いです。
一人暮らしの最低生活費について正確な金額が知りたい方は、こちらの記事をお読みください。 -
頼れる親族がいない
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生活保護は国の税金から賄われているため、親族の方でご自身を扶養できる方がいる場合は、生活保護を受給することができません。とはいえ、親族との関係性を考慮した上での話になりますので、DVや虐待などがあった場合は親族が経済的に安定していても”頼れる親族がいない”と判断されますので、ご安心ください。
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貯蓄や資産となるものがない
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今回の生命保険に関してもそうですが、生活保護を受給するということは、生活に困窮していることが前提になります。そのため、売却すればお金になるようなものがある場合や、一定の貯蓄がある場合は生活保護を受給することはできません。
とはいえ、多額の借金等でそれらのお金がなくなることが前もってわかっている場合などは、先に生活保護の申請をすることも可能です。 -
生活保護を受給するにあたり生命保険は必要なのか
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生命保険は有事の際にまとまったお金が支給されたり、満期で多額の解約返戻金を受け取ることができるなど、日本では加入する方が一般的なものです。しかし、生活保護を受給すると様々な扶助が受けられるため、あらゆる場面において国からお金が支給されることになります。
本項では、生活保護の8つの扶助と9つの加算手当など、生活保護を受給した場合のメリットについて解説します。 -
生活保護の8つの扶助と9つの加算
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扶助 扶助の内容 生活扶助 食費や雑費等の生活費全般 住宅扶助 住居の家賃 出産扶助 産後の入院費用等、出産に関する費用 教育扶助 義務教育を受ける上で必要になる費用 生業扶助 資格取得等、就労に関する費用 介護扶助 介護に関するサービスにかかる費用 葬祭扶助 葬儀を執り行う際に必要な費用 医療扶助 診療や入院、薬に必要な費用 -
加算手当 金額 冬季加算 地域により期間、金額共に変動 妊産婦加算 妊娠6ヵ月未満の場合:8,960円妊娠6ヵ月以上の場合:13,530円産後の場合:8,320円 障害者加算 身体障害者障害等級1・2級の場合:26,310円3級の場合:17,530円 介護施設入所者加算 9,690円 在宅患者加算 13,020円 放射線障害者加算 現罹患者の場合:43,120円元罹患者の場合:21,560円 児童養育加算 18歳までの子ども1人につき10,190円 介護保険料加算 介護保険の第1号被保険者である被保護者に対し、納付すべき介護保険料に相当する経費を補填するものとして実費支給 母子加算 子ども1人の場合:最大18,800円 -
扶助は様々な場面に対応したものであり、医療機関に受診する際は医療扶助を使うことで、医療費が無料になるといった内容になります。
対して加算手当は、個人の状態に対して支給されるものであり、母子家庭(父子家庭含む)であれば母子加算として生活費に一定額加算されるといった内容です。このように、生活保護を受給すると様々な扶助や加算手当が支給されますので、生命保険のように”有事の際に備える必要がない”とも言えるのではないでしょうか。 -
働けなくても最低限の収入が得られる
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病気や怪我などで一時的または中、長期的に働けない状態になった場合に備え、普段から節約して貯蓄しておくというのはある種当然の生き方であり、生命保険はその最たるものでしょう。
しかし、どれだけ節約して貯蓄していても、想定外のトラブルが起こる可能性は否定できません。
生活保護はそのような場合に、国が最低限度の生活を保障するものであり、働けない状態が長期間続いてしまっても毎月一定額の収入を得ることができるのです。これらのことを踏まえると、生活保護を受給するのであれば、生命保険は必要ないという考え方もできるのではないでしょうか。 -
生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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ここまで生活保護と生命保険を両立する方法と、生活保護を受給する場合に、そもそも生命保険は必要なのかを解説しました。掛け捨て型の生命保険で、毎月の保険料と解約返戻金が少額なものであれば生活保護と併用できることや、生活保護の8つの扶助と、9つの加算手当により生命保険をかける必要性がそもそも薄いことなどがお分かりいただけたかと思います。
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著者
井口 優
株式会社フォーユー 代表取締役社長生活保護は発足から70年以上も経過している制度であるにもかかわらず、未だ国民の理解が低く、「生活保護をよく知らない」ことが原因で、受給できるのに受給していない方が多くいらっしゃいます。ほゴリラのサービスを通じて1人でも多くの生活困窮者に手を差し伸べることで、日本全体の貧困問題を解決する一助となれるよう日々精進していきたいと考えています。
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