生活保護の返還金が返せない?督促状を放置するとどうなる?
【目次】
- 生活保護の返還金とは
- 返還金と徴収金の違い
- 生活保護の返還金が返せない場合
- 返還金の督促を無視し続けた場合
- 生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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生活保護は、日本国憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」に基づいて設立された制度です。生活に困窮してしまった日本国民は、生活保護を受給することで国が定めた最低限の生活が保障されます。しかし、生活保護は国や自治体のお金ですので、不正受給が発覚した場合は生活保護費の返還金が発生する場合があります。
本記事では、生活保護の返還金が返せない場合はどうすれば良いのかを解説します。督促状が届いている方などの参考になれば幸いです。
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生活保護の返還金とは
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生活保護の返還金とは、簡潔に言うと不正受給と判断された生活保護費に返還義務が生じたお金のことです。
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不正受給と判断される全額を返還する
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生活保護の返還金が発生した場合は、福祉事務所が調べた限りの不正受給と判断される全額を返還する必要があります。そのため、人によって返還金の額は異なります。また、不正受給と言っても全てに悪意があるわけではありません。詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしていただければ幸いです。
生活保護の不正受給とは?過去の事例を元にわかりやすく解説 -
返還金と徴収金の違い
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生活保護の返還金と似たもので、「徴収金」と呼ばれるものがあります。福祉事務所にお金を支払うというのは共通していますが、返還金と徴収金では大きく異なる点があります。以下で簡単に解説します。
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悪質でない場合は返還金
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返還金と徴収金のどちらも、生活保護費の不正受給が発覚した場合に発生します。しかし、不正受給には悪質なものと悪質でないものがあり、返還金は悪質では無いと判断された場合に発生します。
- 受給者に悪意がなかった
- 急に入院してしまって収入の申告ができなかった
- 指摘される前に福祉事務所に確認した
などなど、悪意がなかったことが根本にあるため、不正受給の心当たりがある方は指摘される前に福祉事務所に確認しておくと良いでしょう。なお、年間で発覚している不正受給の多くは上記のように悪意のないものですので、誠実に対応していれば基本的には返還金の扱いになる可能性が高いです。 -
悪質だと判断された場合は徴収金
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生活保護法第78条1項
” 不実の申請その他不正な手段により保護をうけ、又は他人をして受けさせたものがあるときは、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額の全部または一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に100分の40を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。”
上記を噛み砕いて解説すると、収入や資産があるのに虚偽の申告をするなど、不正な手段で生活保護を受けていた場合などは、その間に受けた生活保護費(医療費等も含む)相当額及びその40%以下の金額を上乗せしたものを徴収金として徴収する(申出により、上乗せ分も含め保護費から天引きされることもあります。)とともに罰則の規定がもうけられています。
なお、悪質な場合については、徴収金の決定と同時に警察に対して告訴することもあります。 -
生活保護の返還金が返せない場合
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生活保護の返還金は、発覚したら原則支払わなければなりません。しかし、生活保護費は最低限の生活費ですので、急に請求されても返せないと言う方は少なくありません。以下で返還金を返せない場合の対策を解説します。
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分割払いができないか確認する
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繰り返しになりますが、生活保護費は最低限の生活費です。不正受給をしてしまったことに変わりはありませんが、生活保護世帯に金銭的な余裕がないのは福祉事務所も重々承知のはずです。そのため、返還金の督促状が届いたらすぐに福祉事務所に連絡をして、返還金の分割ができないかお願いしてみましょう。金額や状況によっては分割が認められる場合がありますので、誠実な対応を心がけて相談してみるのが良いです。
しかし、分割払いになった返還金の支払いが滞ってしまった場合などは、残金は一括返還になる可能性もありますので注意しましょう。 -
法律上は返還金の免除が可能な場合がある
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生活保護法第80条には返還金の免除に関する決まりがありますので、法律上は免除も可能ということになっています。とはいえ、上記のように分割での支払いが認められるケースがあるため、支払いが厳しいのであれば分割にしましょうと福祉事務所から提案されることになる可能性が高いです。そのため、基本的には返還金は免除になりにくいと考えておいて良いでしょう。
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5年で時効になる
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生活保護の返還金には時効があり、生活保護受給者が不正に保護を受けた日の翌日から数えて5年で時効を迎えます。とはいえ、福祉事務所がただ督促状を送り続けるだけで時効を迎えられるわけもなく、時効を待つと言うのは現実的ではありません。時効を迎えるようなケースがあるとすれば、5年間にわたって受給者や福祉事務所の誰も気付かなかった収入があった場合などに限られますので、時効になるケースは基本的にないといえます。
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返還金の督促を無視し続けた場合
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生活保護の返還金は、悪意のない不正受給があった場合に請求されるものです。しかし、福祉事務所からの督促状を無視し続けた場合はどうなるのでしょうか。以下で、督促状が届いてからの一連の流れを解説します。
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1ヶ月程度で追加の督促状
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不正受給が発覚すると、それが悪質なのかを福祉事務所が判断して返還金か徴収金かを決めます。返還金と判断された場合、督促状はすぐに受給者の元へ送られます。そこから福祉事務所が受給者と連絡を取れない期間が続き、返還金の支払いもなかった場合などは概ね半月〜1ヶ月半程度で2回目の督促状が届きます。
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担当CWの自宅訪問
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福祉事務所によっては、担当のCWが自宅に訪問して生活の実態や財産状況などを調べることがあります。返還金の一括返還が困難な場合に、分割払いをするように指導される場合があります。
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敗訴すると強制執行になる
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度重なる督促や催促を無視し続けた場合は、自治体から訴えられる可能性があります。悪意がなかったとはいえ、不正受給をしていた事実は変わりません。加えて、督促状を無視し続けていたのは悪意があると判断されてしまう可能性が非常に高いため、受給者側が勝訴する可能性は極めて低いと言えるでしょう。
敗訴すると強制執行が執り行われ、財産となるものを没収されてしまう可能性があります。このように、督促状を無視しても良いことは1つもありませんので、不正受給をしてしまった場合は福祉事務所の指示に素直に従うのが良いです。 -
生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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ここまで、生活保護の返還金が返せない場合の対処法などについて解説しました。分割で支払うことが可能か確認することや、督促状を無視し続けると強制執行になる可能性があることなどがお分かりいただけたかと思います。
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著者
井口 優
株式会社フォーユー 代表取締役社長生活保護は発足から70年以上も経過している制度であるにもかかわらず、未だ国民の理解が低く、「生活保護をよく知らない」ことが原因で、受給できるのに受給していない方が多くいらっしゃいます。ほゴリラのサービスを通じて1人でも多くの生活困窮者に手を差し伸べることで、日本全体の貧困問題を解決する一助となれるよう日々精進していきたいと考えています。
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