生活保護受給者は歯医者に通ってもいい？治療費はどうなる？

令和3年に行われた厚生労働省の「医療施設動態調査」によると、全国の歯医者の数は6万7,886施設もあるとのことで、コンビニの店舗数よりも1万件以上多いという結果が出ております。日常生活においても、他の医療機関と比べると歯医者に行く機会は多いのではないでしょうか。

本記事では、生活保護受給者が歯医者に通ってもいいのか？また、その場合の治療費はどうなるのか解説していきます。

生活保護を受給すると医療扶助が受けられるため、生活保護受給者が医療機関を受診、治療する際の医療費が無料になります。医療扶助は治療や診察費のほかにも、歩行杖やメガネの購入費用などにも適用される非常に便利な扶助ですので、理解を深めたい方は以下の記事をお読みください。
生活保護は医療費が無料！医療扶助のメリットや注意点を解説

生活保護は病気や怪我など、何かしらの働けない事情を抱えている方が受給していることも多いため、歯医者の治療費に医療扶助は適用されないのではないかとお考えの方がいらっしゃるかと思います。しかし、医療扶助は受給者の医療費全般に適用されるため、歯医者で治療を受ける場合も医療扶助が適用されます。

生活保護の医療扶助が適用されるのは、一般的な保険適用内の治療等に限られます。歯医者で受ける一般的な虫歯治療などは保険適用内なので問題ありませんが、インプラントなどの一般的に治療を目的としたものではない施術に関しては、基本的に医療扶助は適用されません。

保険適用外の治療費に関しては医療扶助が適用されませんが、保険適用外の治療が禁止されているわけではありませんので、全額自己負担で治療を受けることは可能です。しかしながら、医療費が高額になるためあまり現実的だとは言えないでしょう。

繰り返しになりますが、生活保護受給者は医療扶助によって医療費が原則無料になります。しかし、医療機関によっては生活保護受給者の診療を断られる場合があります。

生活保護の医療扶助が利用できるのは、「指定医療機関」と呼ばれる限られた医療機関になります。そのため、基本的には担当のケースワーカーに医療機関へ行きたい旨を伝えることで、指定医療機関に登録されている病院名等を教えてもらうことができます。

なお、生活保護を受給する以前から通っているかかりつけの歯医者が指定医療機関ではなかった場合、残念ながら別の歯医者に通うことになりますので、注意しましょう。

ここまで、生活保護受給者は歯医者に通うことができるのか？治療費はどうなるのかなどについて解説しました。虫歯治療などの一般的な保険適用内の治療費は、生活保護の医療扶助によって無料になることや、「指定医療機関」に登録されている歯医者でしか医療扶助を利用することができないことなどがお分かりいただけたかと思います。

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