生活保護の収入申告とは?申告書の書き方・必要な収入・提出期限を解説
【目次】
- 生活保護の収入申告とは?
- 生活保護の収入申告書の書き方【記入例付き】
- 生活保護で収入申告が必要なもの一覧
- 生活保護の収入申告はいつまで?提出頻度と締め日
- 収入申告をすると生活保護費はいくら減る?
- 収入申告を忘れた・申告していなかった場合の対応
- 生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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生活保護の収入申告では、世帯の給与・年金・仕送りなどを福祉事務所に届け出ます。少額の収入も対象で、無収入でも指定された申告書は提出が必要です。
- 申告書は担当の福祉事務所で受け取り、給与明細など収入が分かる資料を添付する
- 提出は原則として毎月。3か月分をまとめる場合もあり、締め日は担当者の案内を確認する
- 申告した金額が、そのまま保護費から全額差し引かれるとは限らない
- 申告漏れに気付いたら、次の提出日を待たずにケースワーカーへ連絡する
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生活保護の収入申告とは?
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生活保護費は、世帯の最低生活費と収入を比べて決まります。収入申告は、この計算に必要な金額や内訳を届け出る手続きです。
生活保護法第61条では、収入・支出などの生活状況が変わったとき、速やかに届け出るよう定めています。就職や退職、年金・手当の支給開始なども連絡が必要です。
申告するのは、保護を受けている世帯全員の収入です。世帯主だけでなく、同じ保護世帯の家族が得た収入も含めます。
収入申告は「何を、いつ、いくら受け取ったか」を伝えること、収入認定は「そのうち保護費の計算に使う金額」を福祉事務所が決めることです。控除や認定対象外の取扱いがある収入も、内容と用途を伝えて判断を受けてください。
税務署への確定申告と、福祉事務所への収入申告は別の手続きです。確定申告を済ませても、収入申告の代わりにはなりません。 -
生活保護の収入申告書の書き方【記入例付き】
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申告書には、対象期間、収入の種類・金額・受取日、必要経費を記入します。書式は自治体ごとに異なるため、手元の用紙の注意書きに従ってください。
以下は横浜市の様式・記入例を参考にした説明です。給与明細、年金・手当の通知書、通帳などを見ながら記入しましょう。 -
収入申告書はどこでもらえる?
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収入申告書は、担当の福祉事務所やケースワーカーから受け取れます。自治体の公式サイトでダウンロードできる場合もあります。
例えば横浜市では、毎月用・3か月用の様式と記入例を公開しています。使用する書式は、担当者の案内に従って選んでください。
横浜市の収入申告書(毎月用)PDFを開く用紙をなくした場合は、担当者に再交付を依頼します。他の自治体の書式を使う場合も、提出先で受け付けてもらえるか確認してください。 -
給与・アルバイト代と必要経費の書き方
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給与・アルバイト代は、給与明細の金額を記入します。総支給額を求める欄には、振込額ではなく、税金や社会保険料を差し引く前の金額を書いてください。
以下は、9月に給与5万円を受け取り、通勤に3,000円かかった場合の記入例です。氏名・勤務先・日付は架空のもので、実際の資料に置き換えて使います。 -
確認・記入する項目 記入内容の例 申告する期間 9月分 収入を得た人・勤務先 山田太郎・株式会社○○ 給与の支給日 9月25日 給与の総支給額 50,000円 通勤費などの必要経費 通勤費3,000円。明細や利用記録を添付 当月の収入見込み欄がある場合 分かる範囲で記入。不明なら担当者に確認 添付する資料 給与明細書。求められた場合は通帳の写し等 -
給与と必要経費は別々に記入します。勤労控除は福祉事務所が計算するため、自分で給与から差し引かずに申告してください。(出典:厚生労働省の保護の実施要領)
日払い・現金払いで給与明細がない場合は、勤務先の給与証明や、働いた日・受取日・金額の記録を用意し、提出できる資料を担当者に確認します。横浜市の毎月用記入例では、裏面にも勤務先や就労状況を記入します。
勤務月と支給月が違う場合は、両方を伝えます。「9月に働いた給与を10月に受け取った」など、支給日が分かる資料を添え、申告する月と保護費に反映する月を確認してください。 -
年金・手当・仕送り・臨時収入の書き方
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年金・手当・臨時収入は、種類、受取額、受取日を記入します。仕送りは、援助してくれた人と内容も記載してください。
年金が2か月分まとめて12万円振り込まれた場合は、「年金12万円、支給日○月○日、2か月分」と伝えます。月額を求める欄には、通知書と注意書きに従って記入してください。
保護費の計算では、定期的な年金・手当は、原則として受給月から次回受給月の前月までの各月に分けて認定します。2か月分の入金額を、1か月分として扱わないようにしましょう。(出典:厚生労働省の保護の実施要領)
現金の仕送りは、金額・受取日・相手・用途を記録します。保険金や給付金は、支払通知書や通帳の写しを添付してください。 -
収入がない場合の書き方
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収入がない場合は、様式に合わせて「無」や「0円」を記入します。空欄のままでは、無収入なのか記入漏れなのか判断できません。
働いていない理由には、「病気療養中のため」「求職活動中のため」など実際の状況を書きます。就労状況の申告を兼ねる様式では、求職活動も記入します。
給与がなくても年金や仕送りがあれば、就労収入は「無」、該当する収入の欄は「有」と記入します。毎月受け取る生活保護費自体は、通常の収入申告の対象に含めません。(出典:豊中市の収入申告の案内)
提出前に、申告月、氏名、収入の有無、金額、添付資料を確認し、控えや写真を残しましょう。 -
生活保護で収入申告が必要なもの一覧
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申告対象には、就労収入のほか、年金、援助、保険金、借入金、売却代金などがあります。主な例と確認資料は次のとおりです。
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収入の種類 主な例 確認する資料 就労・事業収入 給与、アルバイト代、賞与、副業・自営業の収入 給与明細、支払明細、売上・経費の記録 年金・公的な給付 老齢・障害・遺族年金、児童手当、失業給付等 支払通知書、金額変更の通知書、通帳 仕送り・援助 親族からの援助、養育費、現金や現物の支援 通帳、受取日・相手・内容の記録 保険金・臨時収入 入院給付金、解約返戻金、賠償金、相続等 支払通知書、契約・相続関係の資料 借入金 知人や金融機関から借りたお金 契約書、借用書、入金記録 売却代金等 フリマ・オークションの売上、財産の売却代金 取引履歴、売上・手数料・送料の記録 現金以外の受取り 他人から受け取った電子マネー、商品券等 送金履歴、受取内容や金額の記録 -
一覧にない受取りも、金額・内容・使い道を伝えて確認してください。(出典:札幌市の生活保護制度の案内)
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給与・アルバイト代・副業は少額でも申告する
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給与・アルバイト代は少額でも申告が必要です。「控除額以下だから申告不要」とは判断できません。
自営業・業務委託は、売上と必要経費の内訳が分かる記録を提出します。手数料が差し引かれた入金額だけでなく、売上額と経費額を分けて伝えましょう。
高校生などのアルバイト収入には、進学・就職の準備費用等に充てることで、一定の条件で控除等を受けられる場合があります。働き始める前に担当者へ相談してください。(出典:豊中市の就労収入・控除の案内) -
年金・手当・仕送り・保険金も申告が必要
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障害年金や遺族年金など、税金がかからない収入も申告対象です。税務上の課税・非課税だけで、申告の要否は決まりません。
年金の増額・遡及支給や養育費の変更があれば、通知書や入金記録を提出します。すでに申告済みの収入でも、金額の変更は連絡が必要です。
お祝い金、見舞金、葬祭時の援助などは、社会通念や用途に応じて収入として認定しない場合があります。名称だけで判断せず、相手・目的・金額を伝えて取扱いを確認してください。(出典:厚生労働省の保護の実施要領)
生活保護と年金を同時に受ける場合の仕組みを詳しく読む -
借入金・フリマの売上・電子マネーはどう扱う?
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借入金やフリマの売上も申告します。電子マネーなどの現金以外の受取りは、入手方法や用途によって取扱いを確認します。
借入金は「返済するから収入ではない」と判断せず、借りる前に相談してください。自立更生のための貸付金などは、事前承認や用途の条件を満たすことで認定対象外になる場合があります。(出典:厚生労働省の保護の実施要領)
フリマで不用品を売った場合は、品物、売却額、手数料、送料が分かる取引履歴を提出します。
動産の処分などの臨時収入は、必要経費を除いた月額の世帯合算額が8,000円を超える場合、その超過額を認定する取扱いがあります。継続的な販売事業などにも一律に適用されるものではなく、8,000円以下でも申告は省けません。(出典:厚生労働省の保護の実施要領)
電子マネーは、自分のお金をチャージするだけなら新たな収入にはなりません。他人から援助として送金された場合は、受取額と内容を申告します。ポイントは、買い物で付いたものか、仕事の対価やキャンペーン等で得たものかを区別し、判断に迷う場合は履歴を見せて相談してください。
生活保護と借金の関係・返済の注意点を詳しく読む -
生活保護の収入申告はいつまで?提出頻度と締め日
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提出は原則として毎月です。ただし、世帯の状況によって3か月分をまとめる場合もあります。提出間隔と締め日は、担当の福祉事務所の指定に従ってください。(出典:厚生労働省の生活保護制度の案内)
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毎月提出・3か月ごとの提出・無収入時の違い
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毎月用には対象月の収入、3か月用には各月の収入を記入します。自分の判断で提出間隔を変更することはできません。
横浜市の3か月用にも、月ごとの記入欄があります。3か月の合計額を1か月分として記入しないでください。
無収入時の提出間隔も担当者に確認します。3か月ごとの提出でも、就職や仕送りの開始など収入状況が変わったときは、次の提出日を待たずに連絡してください。 -
提出期限は自治体の案内と申告書で確認する
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窓口・郵送・オンラインで提出する方法
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収入申告をすると生活保護費はいくら減る?
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保護費の計算に使うのは、収入から認められる必要経費や控除を差し引いた「収入認定額」です。給与が5万円あっても、必ず保護費が5万円減るわけではありません。
日常の生活費・家賃についての基本の計算は「最低生活費-収入認定額=保護費」です。最低生活費は地域、年齢、世帯人数、家賃、加算などで変わり、医療扶助等は別途確認します。(出典:厚生労働省の生活保護制度の案内) -
働いて得た収入には勤労控除がある
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就労収入には、収入額に応じた基礎控除があります。認められる通勤費、社会保険料、所得税などの必要経費も差し引いて計算します。(出典:豊中市の就労収入・控除の案内)
基礎控除額は、収入額と世帯内の就労人数などで変わります。給与・経費の資料を提出し、正しい金額を計算してもらいましょう。
新規就労控除や20歳未満の方への控除には、所定の条件があります。就職すれば必ず適用されるものではありません。(出典:厚生労働省の保護の実施要領)
就労収入の基礎控除は、年金や仕送りには適用されません。 -
月5万円の給与がある場合の計算例
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最低生活費を月12万円、給与を月5万円、認められる必要経費を3,000円と仮定します。世帯内の就労者は1人で、ほかの収入や追加の勤労控除はないものとします。12万円は説明用の仮定で、特定の地域・年齢の基準額ではありません。
厚生労働省の基礎控除額表では、収入額50,000~53,999円の区分にある世帯の1人目の控除額は18,780円です。 -
計算する項目 給与がない場合 給与5万円の場合 最低生活費(仮定) 120,000円 120,000円 給与収入 0円 50,000円 必要経費(仮定) 0円 3,000円 基礎控除 0円 18,780円 収入認定額 0円 28,220円 保護費 120,000円 91,780円 給与+保護費-必要経費 120,000円 138,780円 -
収入認定額は「50,000円-3,000円-18,780円=28,220円」、保護費は「120,000円-28,220円=91,780円」です。必要経費を引いた給与と保護費の合計は138,780円で、給与がない場合より18,780円増えます。
実際の計算は、賞与、ほかの収入、複数の就労者などで変わります。収入見込みと実績の差による調整や、どの月の保護費に反映するかも確認してください。
申請前の方は、給与があっても生活費が不足していれば、生活保護を受けられる可能性がありますので、以下の診断で受給可否を診断して見ましょう。
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収入申告を忘れた・申告していなかった場合の対応
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申告漏れは、過去の保護費の調整や返還等につながる場合があります。提出期限を過ぎただけで、直ちに不正受給と決まるわけではありません。
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申告していない収入はなぜ確認される?
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未申告の収入は、課税情報、年金の資料、預貯金・勤務先等への調査で確認される場合があります。
仙台市の生活保護のしおりでは毎年の課税調査で、申告内容と、勤務先・年金事務所等が税部門に提供する資料の内容を照合すると説明しています。
現金払いの給与も確認対象になり得ます。口座への入金がないことや、少額であることを理由に申告を省くことはできません。
資料との不一致を指摘されたら、収入の種類・対象月・金額を確認し、勤務月と支給月の違いも含めて事実を説明しましょう。 -
保護費の返還と不正受給による徴収の違い
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返還等には、生活保護法第63条による返還と、第78条による不正受給の徴収があります。主な違いは次のとおりです。
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区分 主な取扱い 第63条による返還 資産や収入がある状態で急迫等の事情により保護を受けたとき、支給された保護費の範囲で、福祉事務所が決めた金額を返す 第78条による徴収 虚偽の申告や収入を隠すなどの不正な手段で保護を受けたとき、費用の全部または一部を徴収する。徴収額の最大40%を追加徴収できる -
第63条の例は、保護を受けていた期間の年金が後から遡って支給された場合などです。
未申告という事実だけで、適用される条文は決まりません。「うっかり忘れたから必ず第63条」「自分から申告すれば返還・徴収はない」とは言い切れません。
通知を受けたら、対象期間、計算の根拠、適用条文を確認します。説明に納得できない場合は、通知書に記載された審査請求の案内や法律相談を利用してください。 -
申告漏れに気付いたら行うこと
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気付いた時点でケースワーカーに連絡し、次の情報を伝えます。資料がそろっていなくても、分かる内容から報告してください。
- 収入の種類、受取日、金額、申告していない期間を整理する
- 給与明細、通帳、支払通知書、取引履歴などを用意する
- 申告が遅れた理由を事実に沿って説明し、追加・訂正の方法を確認する
- 保護費の調整や返還等がある場合は、対象期間と計算内容を確認する
連絡例:「○月○日に受け取った○○円の給与を申告していませんでした。給与明細を提出したいので、手続き方法を教えてください」
返還等で生活費が不足する場合は、新しく借金をする前に、支払方法と生活への影響を福祉事務所へ相談します。今後の提出日はカレンダーに登録し、収入の資料をまとめて保管しましょう。 -
生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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ここまで、生活保護の収入申告について解説しました。収入申告は、世帯の収入と必要経費を資料に沿って届け出る手続きです。指定された期限までに提出し、収入の変化や申告漏れは速やかに連絡するのが重要であることなどがお分かりいただけたかと思います。
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著者
井口 優
株式会社フォーユー 代表取締役生活保護受給者の住居支援に10年以上専門特化し、これまで累計4,000件以上の住居確保を支援した実績があります。
札幌・横浜・仙台・名古屋に拠点を展開し、行政や福祉事務所、ケースワーカー等と連携した独自のサポート体制を構築してきました。
国が認定する住宅確保要配慮者 居住支援法人として、生活困窮者の住居確保から申請のサポートまで一気通貫で支援を行っています。
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