親が生活保護を受給する場合に子供の収入は関係あるか解説!
【目次】
- 生活保護を受給できる条件
- 生活保護の扶養照会とは
- 親が生活保護を受給しても子供に影響はない
- 生計同一世帯は子供の収入が関係する
- 生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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生活保護は、日本国憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」に基づいて設立された制度です。生活に困窮してしまった日本国民は、生活保護を受給することで国が定めた最低限度の生活が保障されます。しかし、生活保護を受給するためには一定の条件を満たしている必要があり、受給後も定められたルールを守らなければなりません。
本記事では、親が生活保護を受給する(している)場合に子供の収入は関係あるのかをわかりやすく解説します。 -
生活保護を受給できる条件
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冒頭でも解説したように、生活保護を受給するためには一定の条件を満たしている必要があります。以下で3つの条件を解説します。
なお、生活保護制度について理解を深めたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
生活保護とは?生活保護の仕組みや受給する方法を簡単に解説 -
収入が生活保護費未満
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1つめの条件は、収入が生活保護費よりも少ないことです。生活保護費は国が定めた最低限の生活費ですので、生活保護費よりも収入が少ないことが生活に困窮している明確な基準になるのです。なお、生活保護費は地域や世帯人数等によって金額が異なりますが、支給額が最も高い東京23区にお住まいの単身者で13万円になりますので、収入が同等またはこれ以下の方は生活保護を受給できる可能性があります。
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資産や貯金がない
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続いての条件は、資産や貯金がないことです。収入が生活保護費より少なくても、売却可能な資産や貯金がある場合は生活費を工面することが可能であると判断されるため、生活保護を受給することはできません。とはいえ、地域や状況によっては車などの所有が認められる場合がありますので、福祉事務所に確認すると良いでしょう。
詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
生活保護を受けても車を所有することは可能!所有可能な条件を解説! -
親族に頼ることができない
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最後の条件は親族から経済的な援助が受けられないことです。上記の条件を満たしていても、親族から経済的な援助が見込める場合は原則として生活保護の対象にはなりません。なお、この場合の親族とは原則3親等内の親族のことを指しますので、曽祖父母、祖父母、父母、子、孫、ひ孫、兄弟姉妹、甥・姪、おじ、おばが該当します。
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生活保護の扶養照会とは
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上記で解説した、生活保護を受給できる条件の1つ「親族に頼ることができない」ということを確認するために、生活保護を申請すると3親等内の親族に「扶養照会」が行われます。
扶養照会とは、親族に申請者を扶養することが可能か確認することであり、書面が親族の元に郵送されます。 -
扶養照会に強制力はない
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繰り返しになりますが、扶養照会とは親族に申請者を確認することが可能か確認するものであり、扶養を強制するものではありません。事情を知らない親族に扶養照会が届いた場合は驚かれることもあるかと思いますが、連絡等があった場合は扶養照会に強制力がないことを伝えてあげると良いでしょう。
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扶養照会が行われないケース
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扶養照会は原則行われますが、親族間で何かしらのトラブルがある場合などは扶養照会を行わないケースがあります。代表的なものはDVや虐待、金銭トラブルが挙げられるでしょう。このような場合は、親族に連絡が行くことで再度トラブルになることが考えられるため、特別に扶養照会を行わない場合があります。
扶養照会の断り方について詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
生活保護の扶養照会は断り方があります!断り方を簡単に解説 -
親が生活保護を受給しても子供に影響はない
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成人して別々に生活している子供がいる方が生活保護の受給を検討する際、子供に迷惑をかけてしまわないかなど不安に思う親もいらっしゃると思います。しかし、すでに別々の生活をしているのであれば上述した扶養照会が届く程度であり、福祉事務所から親を援助するように子供にしつこく電話がくるようなことは基本的にありませんので、ご安心ください。
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子供からの仕送りなどがある場合は影響がある
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子供と別々に生活している場合に、親孝行などで子供から親へ少額でも仕送りをしていることもあるかと思います。このような場合に生活保護を受給すると、子供から送られた仕送りの金額が収入として扱われるため、本来支給されるはずの生活保護費から仕送りされた金額分が差し引かれる形となります。これは、生活保護で保障しているのが国が定めた最低限度の生活であるため、受給者は等しく平等でなければならないからです。
また、仕送りがあることを福祉事務所に隠していた場合などは、不正受給として扱われる可能性が高く、保護費を返還するよう求められる場合があります。このような大事になってしまうと、福祉事務所から子供に連絡が行くなど何かしらの影響が考えられますので注意しましょう。 -
生計同一世帯は子供の収入が関係する
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上記では子供と別々に生活している場合にフォーカスしましたが、実家などで同居している場合や高校生等の児童がいる場合は子供の収入が関係してきます。
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生活保護の「世帯単位の原則」
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生活保護制度を構築する生活保護法には4つの原則があり、その中の1つに「世帯単位の原則」があります。簡単にご説明すると、生活保護は個人で受給するのではなく世帯で受給するという内容です。そのため、収入においても個人の収入ではなく世帯全体の収入が基準となります。
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世帯に収入がある場合は申告しなければならない
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生活保護は世帯単位で考えられますので、世帯の中で何かしらの収入があった場合は福祉事務所に申告しなければなりません。
生活保護は最低限度の生活を営むための制度であるため、親が生活に困窮していても子供の収入が生活保護費を超えている場合は生活保護を原則受給することができませんし、生活保護費を超えない収入は支給される生活保護費から差し引かれる形となります。そのため、子供が高校生になってアルバイトを始めた場合などは、収入によって生活保護費が変動することになります。 -
子供の収入を申告しないと不正受給になる
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上記で挙げたように、子供が高校生になりアルバイトを始めたことで、生活保護費が変動することはよくあることです。子供にとってはアルバイトで自分のお金を稼いで好きなものを購入したり、友人等との交友日に充てたいと考えるのは自然なことであり、親としてもそれを止めるようなことはしたくないと思います。
しかし、高校生でもその気になれば毎月10万円程度稼ぐことができてしまうため、生活保護費の多くが子供の収入によって差し引かれてしまう可能性があります。子供は自分の稼いだお金で何かしらの目的を果たしたいと思って働くため、子供のお金が増えて世帯の生活費はその分減少してしまうことになります。とはいえ、子供のバイト代等を申告しなければ不正受給として扱われ、後から発覚すれば保護費の返還などが発生するため、必ず申告するようにしましょう。
生活保護の不正受給について詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しています。
生活保護の不正受給とは?過去の事例を元にわかりやすく解説 -
生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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ここまで、親が生活保護を受給する場合に子供の収入は関係あるか解説しました。一緒に住んでいる場合は子供の収入が生活保護費に影響するが、一緒に住んでない場合は子供の収入がいくら高くてもどれだけ資産を所有していても、扶養する意思がなければ関係ないことなどがお分かりいただけたかと思います。
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著者
井口 優
株式会社フォーユー 代表取締役社長生活保護は発足から70年以上も経過している制度であるにもかかわらず、未だ国民の理解が低く、「生活保護をよく知らない」ことが原因で、受給できるのに受給していない方が多くいらっしゃいます。ほゴリラのサービスを通じて1人でも多くの生活困窮者に手を差し伸べることで、日本全体の貧困問題を解決する一助となれるよう日々精進していきたいと考えています。
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