高齢者が生活保護を受給できる条件とは?年金があってもOK
【目次】
- 生活保護世帯の半分以上が高齢者世帯
- 高齢者が生活保護を受給できる条件
- 高齢者の生活保護費
- 【注意点】生活保護世帯の高齢者は賃貸の入居審査に通りにくい
- 生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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生活保護は、日本国憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」を基に設立された制度です。生活に困窮してしまった日本国民は、生活保護を受給することで国が定めた最低限度の生活が保障されます。
本記事では、高齢者が生活保護を受給できる条件について解説していきます。年金等の収入があっても生活保護は受給可能ですので、生活保護を検討されている高齢者の方は参考にしていただければ幸いです。
なお、本記事を執筆しているほゴリラでは、生活保護の受給が可能か診断できる「生活保護の受給診断」と、賃貸の入居審査に通過できる可能性がどれぐらいあるか診断できる「賃貸の入居審査診断」を運営しております。どちらの診断も簡単な質問に答えるだけで60秒で結果がわかりますので、ぜひお気軽にご利用ください。 -
生活保護世帯の半分以上が高齢者世帯
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2023年の1月に厚生労働省から発表された統計によると、生活保護の被保護実人員は2,024,195人、被保護世帯は 1,644,381世帯になります。そのうち高齢者世帯は907,820世帯にも及ぶため、実に55%以上が高齢者世帯ということになります。
高齢化社会で高齢者の割合がそもそも多いという背景もありますが、増税や物価の上昇、年金の支給額の引き下げなども影響していると考えられるでしょう。 -
生活保護費の半分は医療費
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生活保護費は、国が定めた最低限の生活費です。受給することで毎月一定額の生活費が支給されますが、年間4兆円程の予算が組まれている生活保護費の内訳で、半分を占めているのは生活費ではなく医療費です。
生活保護を受給している方は病気や怪我など、何かしらの働けない理由がある方に加えて、上述したように高齢者世帯が半数を占めています。そのため、生活保護世帯は医療を必要としている方が多いと言えるでしょう。
生活保護で医療費を担っているのは「医療扶助」です。医療扶助については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしていただければ幸いです。
生活保護は医療費が無料!医療扶助のメリットや注意点を解説 -
高齢者が生活保護を受給できる条件
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生活保護を受給できる条件は、地域によって多少の違いがあるものの根本は変わりません。しかし、高齢者ならではの壁もあるかと多いますので、以下で簡単に解説していきます。
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年金等の収入が生活保護費未満
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一般的な高齢者とその他の世帯で大きく異なるのは、働いていなくても年金が支給される点です。そのため、年金を受給している高齢者は生活保護を受給できないと考えている方も少なくありませんが、年金等の収入があっても生活保護を受給することができます。とはいえ、生活保護で保障されているのは最低限度の生活ですので、1月あたりの世帯収入の合計が生活保護費未満であることが条件になります。
次項で高齢者に支給される生活保護費をご紹介していますので、ご自身の収入と比較してみてはいかがでしょうか。 -
持ち家等の資産や貯金がない
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2つめの条件は、持ち家や車などの資産や貯金がないことです。仮に収入が少なく生活が苦しいとしても、貯金があれば切り崩して生活費にすることができます。それでも生活が苦しい場合は、資産を売却して生活費を捻出することができます。このように、ご自身で生活費を工面する方法が残されているうちは、生活に困窮しているとは認められないため、生活保護の対象にはならないのです。
高齢者の場合は、老後のためにと貯金してきた方が多いでしょう。加えて、持ち家を購入した方はそれに伴い車も所有している方が多いはずです。都市部で賃貸を借りて、車を所有せずに生活している若者であればこちらの条件はクリアできますが、高齢者の場合は最も大きな壁となるかもしれません。
とはいえ、持ち家や車は原則所有することはできませんが、地域によっては一部認められる場合がありますので、お住まいの地域を管轄している福祉事務所に相談してみると良いでしょう。詳しくはこちらの記事をお読みください。
生活保護を受けても車を所有することは可能!所有可能な条件を解説! -
親族に頼ることができない
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最後の条件は、親族に頼ることができないことです。高齢者の場合の親族は自分達の子どもや孫などが主な対象となりますが、仕送りや同居などの支援が受けられる場合は生活保護を受給することができません。そのため、生活保護を申請すると原則3親等内の親族に「扶養照会」が送られます。
扶養照会とは、申請者を支援することが可能か親族に確認するための書類であり、生活保護を申請すると原則行われるものです。なお、扶養照会はあくまで確認するためのものであり、親族に扶養を促すものではありませんので、親族から扶養できない旨の返送があった場合やそもそも返送がなかった場合などは生活保護を受給することができます。また、事情によっては扶養照会をせずに生活保護を受給することができますので、詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
生活保護の扶養照会は断り方があります!断り方を簡単に解説 -
高齢者の生活保護費
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生活保護費は、地域や世帯人数等によって支給される金額が異なります。以下で、政令指定都市で支給される高齢者の生活保護費をご紹介致しますので、参考にしていただければ幸いです。
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生活保護は8つの扶助と9つの加算から構成される
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支給額をご紹介する前に、生活保護費がどのような内訳で支給されているのかを簡単に解説します。
生活保護費は、8つの扶助と9つの加算によって構成されており、扶助はそれぞれ用途が明確で必要な時に必要な分だけ支給される費用です。 -
扶助の種類 扶助の内容 生活扶助 食費や雑費等の生活費全般 住宅扶助 住居の家賃等、住居に関する費用 出産扶助 産後の入院費用等、出産に関する費用 教育扶助 義務教育を受ける上で必要になる費用 生業扶助 資格取得等、就労に関する費用や高校で必要になる費用 介護扶助 介護に関するサービスにかかる費用 葬祭扶助 葬儀を執り行う際に必要な費用 医療扶助 診療や入院、薬代等、医療で必要な費用 -
加算は扶助とは異なり、受給者の状況によって生活費が増額するものです。
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加算 金額 冬季加算 地域により期間、金額共に変動 妊産婦加算 妊娠6ヵ月未満の場合:8,960円妊娠6ヵ月以上の場合:13,530円産後の場合:8,320円 障害者加算 身体障害者障害等級1・2級の場合:26,310円3級の場合:17,530円 介護施設入所者加算 9,690円 在宅患者加算 13,020円 放射線障害者加算 現罹患者の場合:43,120円元罹患者の場合:21,560円 児童養育加算 18歳までの子ども1人につき10,190円 介護保険料加算 介護保険の第1号被保険者である被保護者に対し、納付すべき介護保険料に相当する経費を補填するものとして実費支給 母子加算 子ども1人の場合:最大18,800円 -
政令指定都市の支給額(65~69歳の高齢者)
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高齢者の生活保護費 生活扶助 住宅扶助 合計 東京23区 74,220円 53,700円 127,920円 大阪市 74,220円 40,000円 114,220円 名古屋市 74,220円 37,000円 111,220円 京都市 74,220円 40,000円 114,220円 横浜市 74,220円 52,000円 126,220円 神戸市 74,220円 40,000円 114,220円 北九州市 71,690円 29,000円 100,690円 札幌市 71,690円 36,000円 107,690円 川崎市 74,220円 53,700円 127,920円 福岡市 71,690円 36,000円 107,690円 広島市 71,690円 38,000円 109,690円 仙台市 71,690円 37,000円 108,690円 千葉市 71,690円 41,000円 112,690円 さいたま市 74,220円 45,000円 119,220円 静岡市 69,530円 39,000円 108,530円 堺市 74,220円 38,000円 112,220円 新潟市 69,530円 35,500 105,030円 浜松市 69,530円 37,700円 107,230円 岡山市 71,690円 37,000円 108,690円 相模原市 71,690円 41,000円 112,690円 熊本市 69,530円 31,100円 100,630円 -
このように、基本的には生活扶助と住宅扶助の2つが合計された金額が毎月支給されます。加算の条件を満たしている場合は、上記の金額に加算分が増額して支給されますので、さらに支給額が増える可能性があります。
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年金等の収入分は差し引かれる
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生活保護は、その他のあらゆる利用可能な制度を利用する必要があります。一般的な高齢者の場合は年金を受給していますので、年金は年金で受給し、生活保護費の金額に足りない分が生活保護費として支給される形になります。以下の図をご参照ください。
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【注意点】生活保護世帯の高齢者は賃貸の入居審査に通りにくい
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生活保護を受給できる条件でご説明したように、生活保護世帯は原則、資産となる持ち家を所有することができません。そのため、生活保護世帯の多くは賃貸住宅に居住することになります。賃貸に入居するためには入居審査を受ける必要があり、審査に通らなければ賃貸契約をすることができません。しかし、「生活保護」と「高齢者」のそれぞれが賃貸の入居審査に通りにくいため、生活保護の高齢者は非常に審査に通りにくいのです。
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生活保護の住宅扶助
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上記でも解説したように、生活保護費には住宅扶助と呼ばれる費用があります。住宅扶助は主に住居の家賃として支給されるものですが、居住可能な家賃の上限という意味も含まれております。例えば東京23区にお住まいの場合は住宅扶助が53,700円と定められておりますので、家賃(管理費等は含まない)が53,700円以内の賃貸でないと原則居住が認められないのです。
生活保護世帯が物件探しをする場合は、住宅扶助の金額に基づいて探さなければなりませんが、住宅扶助はあくまで生活保護のルールです。賃貸には必ず大家さんがいらっしゃるため、賃貸の入居条件などは大家さんに決定権があります。そのため、仮に住宅扶助の規程内の家賃であっても生活保護世帯が入居可能かは別の話なのです。なお、住宅扶助の金額は地域や世帯人数等によって変動しますので、ご自身の住宅扶助額を知りたい方はこちらの記事をお読みください。
生活保護の住宅扶助とは家賃の上限!全国の住宅扶助を解説! -
年齢による入居制限
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賃貸物件は大家さんの持ち物であり、家賃を支払う契約で一室を貸してもらう契約になります。大家さんは入居者からの家賃を収入源としますので、入居者には少しでも長く住んでもらたいと思うのが一般的です。高齢者の場合は、若者と比較すると転居する割合が低くなるため、一見すると審査に有利だと感じるかもしれません。
しかし、万が一室内で孤独死などがあった場合は、いわゆる事故物件になってしまいお部屋の価値が著しく低下してしまいます。そのため、高齢者の場合は年齢によって入居を断られてしまう場合が多いのです。加えて、生活保護という条件も加わりますので、生活保護の高齢者は賃貸の入居審査に通らずお困りにある方が非常に多いです。 -
高齢者でも入居可能な「楽ちん貸」
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本記事を執筆しているほゴリラでは、入居審査に通らない生活保護受給者の方のために「楽ちん貸」というサービスを運営しております。楽ちん貸をご利用いただければ一般的な賃貸の入居審査を受ける必要がないため、審査に通りにくい高齢者の方でも一般の賃貸物件に入居することが可能です。なお、楽ちん貸をご利用いただける条件は、生活保護を受給していることだけです。詳しくは次項でご説明させていただきますので、お読みいただけますと幸いです。
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生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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ここまで、高齢者が生活保護を受給できる条件について解説しました。年金等の収入があっても、総額が生活保護費より少なければ生活保護を受給できることなどがお分かりいただけたかと思います。
本記事を執筆しているほゴリラでは、これから生活保護の受給をご検討されている方のために「生活保護の申請同行サポート」、賃貸の入居審査に通らない生活保護受給者の方のために「楽ちん貸」というサービスを行なっておりますので、以下で簡単にご紹介致します。 -
生活保護の申請同行サポート
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生活保護の申請同行サポートでは、生活保護に関するご相談を年間約6,000件受けている生活保護の専門家が、実際にご相談者様の生活保護申請に同行させていただきます。
生活保護の申請は簡単ではありません。自治体の相談員にこれまでの経緯や働けない事情等を説明し、相談員を納得させる必要があります。加えて、申請に必要な書類は何枚もあり、書き方がわかりにくくなっています。
生活保護の申請サポートをご利用いただければ、上記の事柄はもちろんのこと、生活保護の申請から受給開始に至るまで無料でサポートさせていただきます。
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楽ちん貸は、ご自身の名義で住居を借りることが難しい方に代わって、私たちが契約者となり住居を借り受け、住居を借りることが難しい方に対して、住居を提供させていただいております。
楽ちん貸の特徴は以下の通りです。- 保証人不要
- 保証会社不要
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- 即日入居可能
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著者
井口 優
株式会社フォーユー 代表取締役社長生活保護は発足から70年以上も経過している制度であるにもかかわらず、未だ国民の理解が低く、「生活保護をよく知らない」ことが原因で、受給できるのに受給していない方が多くいらっしゃいます。ほゴリラのサービスを通じて1人でも多くの生活困窮者に手を差し伸べることで、日本全体の貧困問題を解決する一助となれるよう日々精進していきたいと考えています。
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