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母子家庭で生活保護を受けるには?条件とデメリットを解説【札幌版】

【目次】

  • 札幌の母子家庭がもらえる生活保護費と受給の条件
  • 教育扶助や医療扶助などのメリット
  • 生活保護を受けるデメリット
  • 生活保護の申請方法
  • 生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
  • 母子家庭は2020年の時点で全国で約123万世帯にも及び、そのうち生活保護を受給している世帯は95,489世帯です。割合で言うと約7.8%になります。
    札幌では約15,000世帯が母子家庭ですので、単純計算で約1,170世帯が生活保護を受給していることになります。

    そもそも母子家庭には、国が様々な手当てを用意していますが、あくまで援助という目的であり、生活費全般を援助する生活保護と比べると、母子家庭の方には利用しにくい手当てが多いです。また、母子家庭に至る経緯の多くは離婚によるもので、もともと専業主婦だった方やお子様がまだ小さい方は、実家に帰ることが出来なければ生活していくのは非常に困難であり、生活保護の受給を検討する方も多いでしょう。

    本記事では、母子家庭が札幌で生活保護を受けられる条件と、生活保護を受けることで生じるデメリットを解説します。これから生活保護の受給をご検討中の、札幌の母子家庭の方にご参考頂ければ幸いです。
    なお、本記事を執筆しているほゴリラでは、生活保護の受給が可能か診断できる「生活保護の受給診断」と、賃貸の入居審査に通過できる可能性がどれぐらいあるか診断できる「賃貸の入居審査診断」を運営しております。どちらの診断も簡単な質問に答えるだけで60秒で結果がわかりますので、ぜひお気軽にご利用ください。
  • 札幌の母子家庭がもらえる生活保護費と受給の条件

  • 生活保護の受給を検討した際に、「いくらもらえるのか?」は気になるところではないでしょうか。実は、このもらえる金額こそが生活保護を受給出来るか出来ないかを決める条件とも言えるのです。

    生活保護の支給金額は、世帯人数地域によって異なります。これは、厚生労働省の定める「最低生活費」が生活保護費の基準となっており、世帯人数や地域によって金額が異なるためです。最低生活費は、健康で文化的な最低限度の生活を送るための文字通り最低限の生活費とされており、この最低生活費よりも収入が少なければ生活保護を受給出来るというわけです。

    札幌の生活保護費がいくらなのかを以下でご説明しますので、参考にしてみてください。
  • 児童1名の母子家庭の生活保護費

  • 項目名称 支給金額
    生活扶助(生活費) 119,630円
    住宅扶助(家賃) 43,000円
    児童養育加算(18歳未満の児童1名につき右記の金額を加算) 10,190円
    母子加算(ひとり親世帯に加算) 18,800円
    合計 191,620円

    ※児童1名の場合の生活保護費

  • 冬季間(10月〜4月)の支給額

  • 項目名称 支給金額
    生活扶助 119,630円
    住宅扶助 43,000円
    児童養育加算 10,190円
    母子加算 18,800円
    冬季加算(10月~4月) 18,140円
    合計 209,760円

    ※児童1名の場合の生活保護費

  • 児童2名の母子家庭の生活保護費

  • 項目名称 支給金額
    生活扶助 151,446円
    住宅扶助 46,000円
    児童養育加算 20,380円
    母子加算 23,600円
    合計 241,426円

    ※児童2名の場合の生活保護費

  • 冬季間(10月〜4月)の支給額

  • 項目名称 支給金額
    生活扶助 151,446円
    住宅扶助 46,000円
    児童養育加算 20,380円
    母子加算 23,600円
    冬季加算(10月~4月) 20,620円
    合計 262,046円

    ※児童2名の場合の生活保護費

  • 児童3名の母子家庭の生活保護費

  • 項目名称 支給金額
    生活扶助 181,807円
    住宅扶助 46,000円
    児童養育加算 30,570円
    母子加算 26,500円
    合計 284,877円

    ※児童3名の場合の生活保護費 ※住宅扶助は3~5人世帯は同額

  • 冬季間(10月〜4月)の支給額

  • 項目名称 支給金額
    生活扶助 181,807円
    住宅扶助 46,000円
    児童養育加算 30,570円
    母子加算 26,500円
    冬季加算(10月~4月) 22,270円
    合計 307,147円

    ※児童3名の場合の生活保護費 ※住宅扶助は3~5人世帯は同額

  • このように、母子家庭の生活保護費はかなり高額であることがわかります。
    また、札幌は寒冷地であることから冬期間は暖房費として「冬季加算」が加わりますので、子ども3人と母1人の計4人世帯では、冬期間の生活保護費が30万円を超えます。
  • 生活保護を受給出来る条件

  • 上記でもご説明しましたが、生活保護を受給出来る条件の1つがは上記の生活保護費よりも収入が少ないことです。

    札幌は他の主要都市と比べると物価等も安くなっていますが、比例して賃金も安いです。そのため、シングルマザーがフルタイムで働いても上記の金額を稼ぐのは簡単ではありません。それに加えて子育ても1人で行わなければならない母子家庭では、生活保護を受給した方が母子共に良い生活を送れる可能性もあるのではないでしょうか?
    札幌で生活保護を申請する方法や、詳しい条件についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてみてください。
    生活保護の申請方法を役所よりもわかりやすく解説【札幌版】
  • 教育扶助や医療扶助などのメリット

  • 生活保護でもらえる金額はわかりましたが、生活保護には他にもメリットがたくさんあります。例えば、本来は生活費から捻出しなければならない費用が、生活保護を受給していることにより免除になることがあるのです。以下で詳しく解説します。
  • 義務教育にかかる費用の負担

  • 特に少子高齢化が進む現代において、子どもが安心して成長できる環境というのはとても重要です。お金がなくて教育が受けられないということが無いよう、義務教育を受けるのに必要な費用は生活保護費から"生活費とは別"で支給されます。これを「教育扶助」と呼びます。

    教育扶助を受けられる項目は以下の通りです。
  • 該当する項目 内容
    基準額 小・中学生の子供がいる家庭において、鉛筆などの学用品や遠足などに必要な費用。小学校2,600円、中学校5,100円を毎月支給。
    教材代 学校が指定する教材費の全額が実費で支給。基本的に年一回の支給。
    給食費 給食費の全額が実費で毎月支給。
    交通費 通学に必要な最低限度の金額が全額支給。
    学習支援費 部活動に必要な費用。小学校16,000円以内、中学校59,800円以内が負担の上限。
    学級費 生徒会やPTAなどの会費。小学校1,080円以内、中学校1,000円以内が負担の上限。
  • このように、義務教育に必要な費用に関してはほとんど支給されるのがお分かりいただけたかと思います。また、そもそも入学するのに必要な入学金に関しては、教育扶助とは別の「入学準備金」という形で支給されます。
    • 小学校 64,300円
    • 中学校 81,000円
    札幌ではこの金額が支給されます。

    高校の教育費については、教育扶助ではなく「生業扶助」という形で支給されますので、進学にも困ることはありません
    生業扶助について詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
    生業扶助は高校の学費や就職で活用!便利な生業扶助を簡単に解説!
  • 医療費がかからない

  • 給料日前の子どもの急な発熱など、お子様を育てている方であれば経験がある方も多いのではないでしょうか?この医療費に関しても、本来であれば生活費から捻出しなければなりませんが、生活保護受給者の場合は「医療扶助」を受けることが出来るので、原則医療費がかかりません。そのため、医療費による生活費の圧迫が無いので、あくまで生活費として上記の生活保護費を使うことが出来ます。

    とはいえ、医療扶助は自治体から指定された"指定医療機関"でのみ利用可能であり、これまでかかりつけの病院などがあった場合においては、その病院が指定医療機関でなければ医療扶助を受けることは出来ないので注意が必要です。
    指定医療機関についてはこちらの記事で解説しています。
    生活保護者は受診できる病院が指定される?指定医療機関とは
  • 働きながら受給出来る

  • 生活保護を受けると働いてはいけないと思っている方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。何故なら、生活保護は障がいなどで働けない人へ、生活費を支給するものであると同時に、生活困窮している人が自立するまでの支援制度でもあるからです。そのため、働くことはむしろ推奨されています

    とはいえ、最低生活費の概念がある以上は、生活保護費から働いた分の給料の一部が差し引かれる形となりますので、注意が必要です。
    働きながら生活保護を受給したい方はこちらの記事で詳しく解説しています。
    生活保護は働きながら受給可能!覚えておくべき3つのポイント
  • 生活保護を受けるデメリット

  • ここまで多くのメリットがありましたが、生活保護には当然デメリットもあります。
    しかしながら、生活保護におけるデメリットというのは個人差がありますので、「人によってはデメリットと感じる」というものです。

    その理由を以下でご説明します。
  • 生活に制限がかかる

  • 細かく説明すると長くなってしまうため、一言で説明すると"生活に制限"がかかるというものです。
    1. 車を所有できない
    2. 貯金額に制限がある
    3. 住居に制限がある
    母子家庭でデメリットに感じるところを挙げるとすれば上記の事柄が挙げられます。
  • 車を所有できない

  • 生活保護を受給すると資産を所有することができないため、車を所有することが出来ません。そのため、送り迎えや買い物などに不便だと感じる方はデメリットと言えるのではないでしょうか?
    とはいえ、働いている方が仕事の都合で必要な場合や、公共交通機関が発達していない地域によっては認められる場合があります。
    車の所有について詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
    生活保護を受けても車を所有することは可能!所有可能な条件を解説!
  • 貯金額に制限がある

  • 貯金額に関しては、いくらと明確に定められているわけではありませんが制限があります。しかし、上記のメリットでご説明したように、医療費などの急な出費にはそれぞれ対応した扶助があるため、基本的には生活費からの支出はありません。そのため、あまり多くの貯金は必要ないとも言えるのではないでしょうか?
    また、制限があるだけで貯金そのものは認められているため、指導の入らない範囲で自立に向けて貯金しておくのが良いでしょう。詳しくは以下の記事をお読みください。
    生活保護費の貯金はOK!自立するためには貯金が必要不可欠
  • 住居に制限がある

  • 生活保護には医療費に充てる医療扶助や、生活費に充てる生活扶助など全部で8つの扶助があります。そのうち家賃など住居に関する扶助を住宅扶助と呼び、地域と世帯の人数によって上限金額が変わります。

    札幌では以下のように決まられており、生活保護を受給するとこの上限を超える家賃の賃貸には原則住むことが出来ません
  • 世帯人数 住宅扶助
    2人世帯 43,000円
    3~5人世帯 46,000円
  • 札幌の母子家庭が生活保護を受給すると、多くの場合はこのどちらかになるでしょう。
    気を付けるべきポイントとして、住宅扶助は負担してもらえる金額ではなく、家賃の上限というところです。そのため、受給前の住居がこの金額を超える家賃の場合は、原則転居する必要があるのです。なお、この場合の引越しにかかる初期費用は原則、自治体から負担されるのでご安心ください。

    しかし、住宅扶助の上限内の物件であっても生活保護者が入居できるかは物件によって異なります。これは物件のオーナーが入居者の募集内容を決めているためです。賃貸には入居審査があるため、生活困窮による家賃滞納ローン滞納等の経歴があり、それらが原因で審査に通らず転居先を見つけるのが困難な方も少なくありません。
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  • 生活保護の申請方法

  • ここまで、札幌で母子家庭が生活保護を受給する為の条件と、メリット・デメリットをご紹介しましたが、本格的に申請を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

    以下で生活保護の申請方法を簡単に解説しますので、注意点等も踏まえて参考にしていただければ幸いです。
  • 申請の流れ

  • 生活保護はお住まいの地域を管轄している「福祉事務所」で申請出来ます。札幌の場合は、中央区なら中央区役所、東区なら東区役所にそれぞれ福祉事務所があります。

    福祉事務所には生活保護の相談窓口がありますので、生活保護を申請したい旨を伝えると相談員と面談することができます。なお、申請が受理されるまで原則14日以内と定められております。住宅扶助の兼ね合いでお引越しが必要な場合は、この間にお部屋探しをしておくと良いでしょう。
  • 生活保護の申請は受け付けてもらえない場合がある

  • 生活保護は本来、受給できる条件を満たしていない方でも申請することは可能です。しかし、申請を受けた福祉事務所は受給できる条件を満たしているか調査する必要があります。加えて、福祉事務所の職員は不足しているため、職員1人あたりの負担が増えているのが現状です。これらのことから、福祉事務所は「相談窓口」を設けており、申請に来た方と職員が面談することで受給条件を満たしているかを判断しています。

    ところが、結局のところ職員との面談は人と人とで行いますので、「本当はこの人は働けるのではないか?」などと職員に誤解されてしまい、申請を断られる可能性は否定できません。そのため、より確実に生活保護を申請したい方は、次項で解説する「生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート」をお読みください。
  • 生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート

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    ここまで、札幌の母子家庭が生活保護を受給できる条件や、支給額などについて解説しました。全国的にも生活保護を受給している母子家庭は少なくなく、教育扶助や医療扶助などによって、生活に必要な費用の援助を様々な角度から受けられることなどがお分かりいただけたかと思います。

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