生活保護の6つのデメリット!実は必ず制限されるわけではありません
【目次】
- 生活保護でデメリットとして挙げられる6つの制限
- デメリット①資産となるものの所有の制限
- デメリット②高価なものの所有の制限
- デメリット③ローンやクレジットの制限
- デメリット④貯蓄の制限
- デメリット⑤プライバシーの制限
- デメリット⑥住居の制限
- 生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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生活保護を受給すると、働けなくても毎月一定の収入が得られるほか、医療費が無料になる医療扶助が受けられたりと、非常に多くのメリットがあります。その一方で、生活保護を受給すると様々な"制限"がかけられるため、それをデメリットだと感じることもあるかもしれません。
本記事では生活保護のデメリットとされる6つの制限それぞれの、許容範囲と例外について詳しく解説していきますので、これから生活保護の受給を検討されている方は、是非参考にしてください。 -
生活保護でデメリットとして挙げられる6つの制限
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生活保護を受給すると、デメリットとして挙げられる制限は6つあります。
- 資産となるものの所有の制限
- 高価なものの所有の制限
- ローンやクレジットの制限
- 貯蓄の制限
- プライバシーの制限
- 住居の制限
以上の6つになります。
これらの制限がどこまで許容されて、どのような場合に例外として認められるのか、1つずつ詳しく解説していきます。 -
デメリット①資産となるものの所有の制限
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恐らく多くの方が最もデメリットだと感じるところであろう資産の制限についてです。資産というのは主に持ち家や車、株などの有価証券が挙げられます。これらは生活保護を受給するのであれば原則所有できません。
所有できない理由は単純で、売却すればお金になるからです。生活に困窮して生活保護を受給しますので、売ってお金になるものがあるのであれば、まずは先にそれらを売って生活費にしてくださいというのは、至極当然の話です。しかし、これらの資産の所有が認められるケースがありますので、詳しく解説します。 -
持ち家の所有が認められるケース
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持ち家には基本的に資産価値があるため、原則所有が認められません。言い換えると、ローン返済が終わっている状態で、更に築年数が古く資産価値が無い物件に関しては、売ってもお金にならないので所有が認められる可能性があります。
生活保護には住宅扶助という賃貸の家賃に充てるお金があり、生活費とは別になっているため、資産価値の無い持ち家に住むのであれば自治体としても家賃を支払う必要が無いので、そのまま持ち家に住むことを認められるケースがあるのです。 -
車の所有が認められるケース
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車の所有が認められるケースは、公共交通機関の利用が難しいような地方において、通勤や通院に車が必要だと判断される場合です。とはいえ、高級車など資産価値が高い車は所有が認められませんし、古くて価値がない車だとしても維持費はかかります。
最低限度の生活を送れるだ程度のお金しか支給されない中で、車のガソリン代などを抽出するのは難しいです。そのため、価値が無かったとしても所有しているだけでお金がかかるのであれば、処分した方がよいこともあります。
車の所有について詳しく知りたい場合は、こちらの記事でより詳細に記述しています。
生活保護を受けても車を所有することは可能!所有可能な条件を解説! -
株などの有価証券は即時売却
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株などの有価証券に関しては、基本的にいつでも売却できます。また、持ち家や車のように所有が認められるケースは基本的に考えられないため、即時売却するしかありません。
ここでご説明した以外にも、資産となるようなものがある場合はそれが「生活に必要かどうか?」を判断基準にして頂ければと思います。
なお、生命保険に関しても生活保護を受給する上で制限がかかります。現在加入している生命保険によっては解約する必要があるかもしれませんので、詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
生活保護と生命保険を両立する方法をわかりやすく解説します! -
デメリット②高価なものの所有の制限
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デメリットの2つ目は、高価なものの所有の制限です。高価なものというのは曖昧な表現ですが、要は贅沢品であったり平均的な値段よりも高価なものを指します。
例えば、宝石やブランド物のバッグなどが当てはまります。家や車のように何百万というお金にはならなくとも、売却することでその月の生活費ぐらいにはなることもありますので、そのお金を生活費にあてて、それでも状況が変わってなければその時申請してくださいという風になります。 -
保有率が70%程度のものは所有できる
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高価なものであっても保有率が70%以上のものは所有が認められます。現代で言うとPCやスマホなどがそれにあたります。
一昔前であればこれらの所有は認められていませんでしたが、現在は国民のほとんどが所有しているほか、PCは就職のスキルとしても有効なため所有が認められています。
とはいえ、ブランド品同様ゲーミングPCなど、高価なものになると所有が認められる可能性は極めて低くなります。また、一見すると制限がかかりそうですが、ゲーム機の所有は認められております。詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
生活保護者がゲーム機を所有するのは可能!注意すべき点とは -
デメリット③ローンやクレジットの制限
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デメリットの3つ目は、ローンやクレジットの制限です。こちらは以下の2つのパターンが考えられるでしょう。
- 借金がある人が生活保護を受給出来るのか?
- 生活保護受給者が借金出来るのか?
結論から言うと前者は全く問題ありません。
後者に関しては、基本的に不可能ですが法律で定められているわけではありません。以下で詳しく解説します。 -
借金がある人が生活保護を受給出来るのか
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生活保護は生活に困窮している方が受けられるセーフティーネットです。借金があっても、生活に困窮しているとみなされれば生活保護を受給することができます。とはいえ、生活保護費を借金の返済に充てることは禁止されており、生活保護を受給したからといって借金の返済義務がなくなるわけではありません。
借金のある方で生活保護の受給をご検討されている方は、以下の記事をお読みいただければ理解を深めることができます。
生活保護は借金があっても申請可能!借金返済は別の制度が使えます! -
生活保護受給者が借金出来るのか
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生活保護を受給していると、消費者金融などでお金を借りることは基本的に出来ません。何故なら金融会社の審査に通らないからです。とはいえ、生活保護受給者にお金を貸してはいけないという法律はありません。そのため、貸してくれるところが絶対にないかと言われればそうではありません。
しかし、生活保護費を借金の返済に充ててはならないというのは生活保護法により定められていますので、発覚すれば保護費の返還を求められるなど、大事になるのは間違いないでしょう。
どんな事情があっても、生活保護を受給しながら借金をするというのは考えない方が身のためです。 -
国の制度を利用する
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一般の消費者金融等が利用出来なくても、生活保護受給者でもお金を借りることが出来る制度があります。これが"生活福祉資金貸付制度"です。
この制度には緊急小口資金というものがあり、生活保護受給者でも少額ですがお金を借りることが可能です。緊急小口資金は連帯保証人が不要で無利子で借りることが出来るため、安心して利用することが可能です。 -
デメリット④貯蓄の制限
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4つ目のデメリットは、貯蓄の制限です。貯蓄に関しては、以下の2つの疑問が挙げられます。
- 申請時の貯金は0円でないとダメなのか?
- 受給してから保護費を貯金してはいけないのか?
以下でそれぞれご説明しますので、参考にしていただければ幸いです。 -
申請時の貯金額
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生活保護は生活に困窮してしまった方が受けられる制度ですので、ある程度の貯金があれば受給出来ませんが0円でなくても問題ありません。
例えば、現状収入が無いが今後出費があるのは確定している場合、貯金額と出費額を計算して生活が困難になると判断されれば申請することは出来ます。とはいえ、あまりに先の話であれば「その時になったら申請してください」となりますので、月内ぐらいの話であれば申請出来る可能性は高いです。目安としては10万円以下になりますが、その時の置かれている状況等によって受給できるかどうか変わります。 -
保護費の貯金
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生活保護を受給すると貯金してはいけないと思っている方もいらっしゃいますが、それは間違いです。何故なら、生活保護は受給者が自立するまでの支援制度だからです。
そもそも生活保護費は、国が定めた最低限の生活費です。その中から、生活を切り詰めて貯金するというのは褒められるべきことであり、保護費の貯金が認められなければ、いつまでたってもその月暮らしになり、自立するのは厳しくなります。そのため、保護費を貯金することは可能なのです。
とはいえ、いくらでも貯金してよいわけではなく、一定以上の貯金があれば保護費が無くても生活していけるため、指導が入ることがあります。しかし、具体的に貯金額はいくらまでと定められているわけではないため、貯金をしたい場合はケースワーカーに相談しておくのがよいでしょう。
貯金に関してもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
生活保護費の貯金はOK!自立するためには貯金が必要不可欠 -
デメリット⑤プライバシーの制限
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デメリットの5つ目は、プライバシーの制限です。生活保護を申請する際に、原則3親等内の親族に助けてくれる人がいないか連絡されます。これを扶養照会と言います。
「生活保護を受けたいが、親族にバレたくない」と考える方は非常に多いです。そのため、人によっては大きなデメリットになるでしょう。しかし、実はこの扶養照会は必須項目ではありません。 -
扶養照会されない例外の事例
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事情によってはこの限りではありませんが、一般的に扶養照会されないケースとして以下のような状態が挙げられます。
- DVや虐待があった場合
- 長期間親族と音信不通の場合
- 親族に多額の借金がある場合
- その他事情により不仲の場合
このようなケースが主に扶養照会をしなくてよい可能性が高いです。
DVや虐待の場合は、扶養照会が届くことで再度被害に遭うことが想定されますし、音信不通の場合は親族の住所が不明で、扶養照会の届け先がそもそもわからないといったことがあります。
扶養照会について詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
生活保護の扶養照会は断り方があります!断り方を簡単に解説 -
ケースワーカーの定期訪問
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生活保護を受給すると、担当のケースワーカーが受給者の自宅に訪問して、安否確認や生活の調査を行います。
訪問頻度については最低でも年に一度以上とされているため、どのぐらいの頻度になるかは担当のケースワーカー次第ということになります。
家庭訪問には、受給者が困っていることが無いかなど相談が主な内容になっており、お金を隠し持っていないかと疑われ、タンスの中を執拗に調べられたりするようなことは基本的にありません。もし、そのようなことになった場合は、受給者本人が何かしら疑われるような行動、発言をしたときのみです。
ケースワーカーについてもっと知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ケースワーカーとは?生活保護受給者とはどんな関係なのか? -
親族以外の方にはバレない
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生活保護を受給していることは、親族以外には基本的にバレません。働きながら受給する場合においても会社の人にバレることはありませんので、必要以上に周囲の目を気にすることはありません。つまり、扶養照会をしない場合においては、生活保護を受給していることは基本的に誰にもバレることはないのです。
とはいえ、引越しの入居審査など個人情報が必要な状況においては、業者には嘘は付けませんので正直に話さなくてはなりません。 -
デメリット⑥住居の制限
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最後のデメリットは、住居の制限です。生活保護費には8つの扶助があり、その中に住居の家賃に充てる住宅扶助があります。住宅扶助には上限があり、世帯の人数と地域によっていくらまでと定められています。
生活保護の申請時に現住居の賃料が住宅扶助の上限を超えている場合は、原則規定内の物件に引っ越す必要がありますが、引越しに必要な費用は原則支給されますのでご安心ください。 -
住宅扶助は賃料のみ
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仮に東京23区の単身者の場合、住宅扶助の上限は53,700円と定められております。
また、家賃には賃料や管理費など様々な項目がありますが、住宅扶助はあくまで賃料のみの話です。この場合は賃料が53,700円以内であれば、管理費がいくらであっても住むこと自体に問題はありません。とはいえ、賃料以外の項目は生活費から支払わなければならないため、管理費等が高額になればその分生活を圧迫するので注意が必要です。
住宅扶助の金額はお住まいの地域によって上限が異なりますので、ご自身の住宅扶助がいくらなのかご存知ない方はこちらの記事をお読みください。
生活保護の住宅扶助とは家賃の上限!全国の住宅扶助を解説! -
住宅扶助の上限を超える別件には住めない
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管理費等は生活費からの実費になるとご説明しましたが、よくあるのが「はみ出た分は実費で払うので賃料60,000円の物件に住みたい」というような内容(住宅扶助53,700円の場合)です。
管理費等を実費で払うのであれば、賃料もはみ出た分は払うので、もう少し良い物件に住みたいというのもわからなくは無いです。しかし、生活保護受給者はあくまで住宅扶助の規定内の物件に住まなければならないため、残念ながらこのような要望は聞き入れてもらえません。 -
例外が認められるケース
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賃貸物件の多くは2年間など契約の更新期間が定められており、期間を満了せずに退去する場合において違約金が発生することがあります。そのため、生活保護を申請したタイミングによっては、すぐに引っ越すよりも契約期間を満了してから引っ越した方が、国が負担する費用が安くなる場合があります。
そのようなケースにおいては、住宅扶助の上限を超えている物件でも住むことが出来ます。 -
生活保護総合支援ほゴリラの2つのサポート
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ここまで、生活保護を受給するにあたりデメリットと感じる様々な制限についてご説明しました。「原則こうしなければならない」と定められてはいるものの、例外が認められるケースや、他の方法があることなどがお分かりいただけたと思います。
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著者
井口 優
株式会社フォーユー 代表取締役社長生活保護は発足から70年以上も経過している制度であるにもかかわらず、未だ国民の理解が低く、「生活保護をよく知らない」ことが原因で、受給できるのに受給していない方が多くいらっしゃいます。ほゴリラのサービスを通じて1人でも多くの生活困窮者に手を差し伸べることで、日本全体の貧困問題を解決する一助となれるよう日々精進していきたいと考えています。
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